原告第3準備書面
原告第3準備書面
平成14年(行り)第15号
怠る事実の違法確認等請求事件
原 告 森 本 千 鶴 子 外17名
被 告 ヤマトハイミール食品協業組合 外11名
〈次回期日−2003年4月16日〉

原告第3準備書面
2003年4月15日
奈良地方裁判所 民事部(合議係)御
上記原告ら訴訟代理人
弁護士 峯  田  勝  
弁護士 吉  田  麓  
弁護士
 
兒  玉  修  
弁護士
 
三  村  英  


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原 告 の 主 張
第1 再度の求釈明の申立
 原告は、2002年12月27日付け被告奈良県知事柿本善也ら第1準備書面を受け、被告奈良県知事柿本善也に対して、再度次の通り、釈明を求める。

1求釈明第1項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事は、「そもそもの貸付の適法性や被告組合の設立当時の計画内容・組合員の参加資格にかかわるにすぎないその余の資料は、本件訴訟物と関係がない」として、その釈明・資料開示に応じない。
 しかしながら本件においては、合計20億円もの多額の貸付がなされたにもかかわらず、当初の契約において定められた償還開始年度である平成5年度から平成12年度までの問、貸付条件が順次変更され、貸付から12年余り経過した現在に別)ても未だ300万円の返済しか行われていない。
 即ち、被告組合は貸付後たった一度の償還もなしえないまま約定による返済が困難となっているのである。
 かかる貸付条件の変更について、被告奈良県知事は被告組合の企業努力により翌期以降、事業採算が改善し収益によって本件貸付金を返還することが可能になると見込まれたと主張するが、本件貸付の返済状況をみるに、およそかかる見込みとはかけ離れた結果となっていることは明白であり、また、貸付後被告組合の事業において当初予期し得なかった事情が生じたとも解されないのであるから、そもそも本件貸付時において、被告組合の実態・事業計画などから既に貸付金の償還が見込み得ない状況であった可能性が極めて高い。
 そして、貸付時において既に貸付金の償還が見込み得ない状況であり、本件貸付がそのよう
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な状況であるにもかかわらず実施されたものであるからこそ、被告奈良県知事は貸付金の償還につき、安易な貸付条件の変更を繰り返し、結果現在に至るまで債権の回収が図られなかったという、本件財産の管理の僻怠が生じたといえるのである。
 従って、本件貸付の適法性や被告組合の設立時の計画内容・組合員の参加資格に関する資料は、本訴の訴訟物である違法な財産管理の懈怠を明らかにするための重要な資料であり、本件訴訟物と密接な関連性を有する資料であるから、原告第1準備書面第1項記載の事項につき改めて釈明を求める。

2 求釈明第2項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事からは、本件契約にかかる契約書及び抵当権設定契約書として、抵当権設定金銭消費貸借契約公正証書(乙口第2,’3号証)が提出されているが、上記公正証書以外に、被告組合からの念書や上申書等の提出の有無、私署証書、及びそれの関連する附属書類の有無につき明らかにされた上、これら資料が存する場合には、当該資料を開示しその内容を明らかにされたい。

3 求釈明第3項〜第6項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事は、求釈明事項第3項〜第6項について釈明に応じていない。
 しかし、原告が第3項〜第5項において釈明を求める事項は、いずれも前記1記載のとおり、本件貸付金の償還がなされていない事実、及び右に際しての被告奈良県知事らの債権管理に関する懈怠に密接に関係する事項である。
 特に、被告組合においては、そもそも協業組合としての要件を充足しておらず、当該事業を行うに足りる組織ではなかったことが強く疑われ、かかる一事をもってしても、本件では貸付時においてすでに後の貸付金の償還が約定通りなされる見込みがなかったといえるのである。
 また、求釈明事項第6項については、正に本件貸付金に関する回収・管理の適法性判断に直
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接かかわる事項であり、これら事項につき改めて明らかにするよう求める。

4 求釈明第7項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事は平成5年度から平成12年度までの各貸付条件の変更につき、変更後の契約書に相当するものとして各年度の条件変更の承認通知を示す(乙口第4〜11号証)。
 しかし、これら書証中、乙口第5〜11号証においては、それぞれ申請日につき空欄となっており、ま.た乙口第5号証に至っては文書番号さえも白紙となっており、果たして当該申請が被告組合からなされていたものか甚だ疑問である。
 そこで、被告組合が行った各年度における貸付条件変更の申請につき、それぞれの具体的申請日を申請書及び当該申請に関する稟議書等を開示の上、明らかにされたい。
 また、乙口第4〜1.1号証には、いずれも「案2」との記載があり、本件貸付条件変更については複数の案が検討されていたと考えられる。
 そこで、「案2」とは如何なる意味を有するのか、仮に複数の案が検討されていたのであれば、それら案についても明示の上明らかにされたい。
 さらに、乙口第4〜11号証によれば、貸付条件変更の通知はそれぞれの条件変更前の償還年月日を経過の後なされている。償還予定日経過後の貸付条件の変更(償還猶予)ということであれば、本来本件貸付は一旦遅滞となっており、抵当権設定金銭消費貸借契約公正証書(乙口第2号証)第弐条第一項により年10.75%の違約金支払い義務が生ずることとなる。しかるに、乙口第4〜11号証によれば、これら違約金について全く計上されていない。
 そこで、各年度において発生した違約金について如何なる処理がなされたのか明らかにされたい。

5 求釈明第8項(原告第1準備書面)に関して
 本件貸付変更につき、被告奈良県知事は「被告組合に対する准営珍断を行い、今後改善すべ
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き事項を指導して、事業団とも協議のうえ」(平成14年11月13日付け答弁書)これに応じたいう。しかし、当該判断の根拠については一切明らかにはされておらず、誰が・いつ・如何なる方法で経営診断を行ったのかさえ明らかにはされていない。その上、本件では年度毎に繰り返される貸付変更をみれば、被告奈良県知事のいう経営診断や指導は全く生かされていないことは明らかであり、果たして当該貸付条件の変更が客観性のある資料に基づき判断なされたものか甚だ疑問である。
 そこで、貸付条件変更に際して被告奈良県知事が行ったという被告組合に関する経営診断の内容、指導事項、事業団との協議結果につき経営診断書・事業団の承認書などを開示して明らかにされたい。

6 求釈明第9項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事は、地方自治法施行令171条の6第1項「履行期限を延長する特約」に関する指針・ガイドラインにつき、何ら明らかにしておらず、改めて前記指針・ガイドラインの存否、及びこれらが存する場合、その内容を明らかにされたい。
 また、「住民監査請求に関する監査の結果について(通知)」(甲第2号証)5頁には、「事業団が定めている、都道府県に対する資金貸付準則」が存在する旨記載があるが、当該準則につき開示されたい。

7 求釈明第10項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事は、貸付条件変更に応じた理由を「被告組合の企業努力により、それぞれ翌期以降、事業採算が改善し、収益によって本件貸付条件を返済することが可能になると見込まれたので、条件変更に応じた方が、貸付債権の徴収上有利であると判断した。」とするが、被告奈良県知事がかかる見込み、貸付債権の徴収上有利であるとの判断を持つに至った根拠について何ら明らかにしていない。
 従って、被告奈良県知事がかかる見込み・判断を持つに至った根拠につき具体的事実を明らかにした上、明らかにされたい。
 また、被告奈良県知事は貸付条件変更の判断について、政策的見地から合理性が認められた
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とし、その理由として奈良県食肉流通センターから発生する残渣を有効利用する処理施設としての必要性、操業環境悪化に伴い周辺に公害をもたらす懸念を挙げる。
 そこで、被告組合以外に残渣を処理しうろ施設の存否、及び被告奈良県知事のいう公害の懸念についての具体的根拠について明らかにされたい。

8 求釈明第11項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事は、本件貸付に関する担保物件の評価額につき、土地については平成2年、同12年、同14年それぞれ近傍類似土地の地価公示価格をもとに評価額を算定したとする。
 そこで、各評価額の算定につきその算定根拠を具体的に明らかにされたい。
 また、土地iこ関する鑑定書の存否、及び鑑定書が存在するのであれば当該鑑定書を開示されたい。

9 求釈明第12項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事は、被告組合に対して平成14年7月24日に督促を行ったとするが、被告奈良県知事のいう「相当の期間」とはどの程度の期間をいうのか督促状を開示の上、明らかにされたい。
 また、原告らは現時点に率いて、既に督促後「相当の期間」が経過したものと考えるが、被告組合から上記督促に対して如何なる対応があったか具体的に明らかにされたい。

10 求釈明第13項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事は、BSE問題などの影響により条件変更に応じなかったとするが、(1)被告組合から条件変更の申請の有無、(2)BSE問題などが、被告奈良県知事の従来の「見込み」にどのように影響を与え、「見込み」を覆すに至った具体的理由につき、被告組合からの申請があったのであれば、@条件変更にかかる申請書、A前記@に対する応答書類、を開示の上明らかにされたい。
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11求釈明第14項(原告第1準備書面)に関して
 被告奈良県知事は、被告組合が返済不能になった場合の中小企業事業団に対する返済につき、仮定の求釈明として応答しないが、原告らが釈明を求めているのはあくまでも既に行われている奈良県・被告組合・中小企業事業団の間における貸付について、法令又は約定に則り誰が返済義務を負うのかということである。
 従って、上記事項につきその法令上、又は約定上の根拠を明示の上、明らかにされたい.

第2 被告組合に対する求釈明
 被告組合は、本件貸付後、奈良銀行に対して金5800万円の借入金の返済を行っているが、奈良銀行に対する年度毎の借入金返済状況について明らかにされたい。
 また、本件貸付後、奈良県を除く他の債権者に対して借入金の返済を行っているか、行っているとすれば当該借入金の返済状況について明らかにされたい。

                                 以  上
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